ここ2年ぐらいハーバードビジネスレビューを購読しており、非常に満足度が高いので、雑感を書いておきます。
⒈ハーバードビジネスレビューの概要・価格
①ダイヤモンド社が出しているマネジメント専門誌
『Harvard Business Review』(HBR)とは、ハーバード・ビジネススクールの教育理念に基づいて、1922年、同校の機関誌として創刊された世界最古のマネジメント誌です。
アメリカ国内では29万人のエグゼクティブに購読され、日本、ドイツ、イタリア、BRICs諸国、南米主要国など世界14カ国、60万人のビジネスリーダーやプロフェッショナルに愛読されている、ワールドワイドなマネジメント誌です。
(中略)
「優れたリーダー人材に貢献する」という編集方針の下、学術誌や学会誌のような無用な難解さを排し、「実学」に資する論文を提供。グローバル企業の企業内大学や管理職研修、さらにビジネススクールの教材としても利用されています。
現在は、「グローバル・リーダーを目指す人の総合マネジメント誌」として、毎号HBR論文と日本オリジナルの記事を組み合わせ、時宜に合ったテーマを特集として掲載しています。多くの経営者やコンサルタント、さらに若手リーダー層から支持されています。
上記はHPからの引用です。内容は実際書いてある通りで、極めてマネジメント層及びそれらを志向するひと向けで、日経ビジネスアソシエのようなある種「作業者」に向けたものではないというのがポイントです。
一つ上の階層、あるいはそのさらに上の階層が何を考えているのか、だとか、リーダーとしてある程度組織や人を動かす場合に頭の片隅で応用できるような内容が多分に含まれているので、経営者層でないと意味がない、といったものではありません。
(別に僕も「グローバル・リーダー」なんかまったく目指していないのですが、チーム運営や組織の中での動き方のイメージをつかむ分には役に立っていると感じています)
とはいえ、ある程度以上決定権がないと、中々実践できないのですが、たとえば、チームの活性化などの意見を求められたときに、こういう話があるみたいですよ、という話が出来るようになるので、空虚な同意を言わずに済んだりします。
まあ、それが適正に受け止められるかどうかは上司にもよりますけどね(営業現場に近ければ近いほど、即効性がある回答を求められるので、役には立たなくなります)。
難点としては、どうしても米国企業を前提としている部分があり、日系企業とは中々組織体や文化が違うので、こんなシチュエーションはねぇな―ということは多いです(特に人事がらみとか)。その点、日本企業最新実例集みたいな日経ビジネスなどのほうが、自分の身に置き換えて考えやすいかもしれません。
②価格は定期購読なら安い
3年 (36冊) +DHBR論文セレクション・・・49,400円(税・送料込)
1年 (12冊)・・・20,600円(税・送料込)
単純に購入すると1冊2000円程度と非常にお高いのですが、3年の長期定期購読すると随分安くなります。それでも1冊1400円程度はするのですが、実態の厚みとクオリティを考えればそう高くはない水準かと思います。
ぼくは一時期、一橋ビジネスレビューとThink!(休刊になった様子)と同時に購読していた時期があったのですが、継続する気が起きたのはハーバードビジネスレビューだけでした。やっぱり、クオリティは随一に高いですね。
⒉雑感
①毎回読み応えがあり、考えさせられる記事が載っており、非常に良いです
毎号非常に品質が高く濃密な記事が大量に掲載されており、自分の業務に活かせるかは兎も角、ホワイトカラーのひとは考えさせられることうけあいです。
僕なんかはどちらかというと伝統的大企業に属する会社に勤めており、実態としては実務に活かしづらい部分はあるのですが、小さなチームのコントロールにも応用できる話はかなり多く含まれているので、まるきり意味がないと思うことは少ないですね。
(「人間の性質上、インセンティブの付け方をこうした方が人は動きやすい」とか、「こうした行動をすると一般的に感情がこう働くので問題解決につながりにくい」だとか、そういった応用しやすい概念がたくさん載っているイメージです)
安直な方向に流れがちな自分を戒める意味も込めて読み続けている部分もなくはなくて、仕事の慣れを打ち消す刺激があります。
特に、企画管理系の仕事をしていて、そもそも今のチームの状態がどうなのだろう、という疑問を持たせてくれるのは、仕事のモチベーション維持の観点で、大きい気がします。高いゴールのイメージがないと、すぐに摩耗してしまいますからねー。
②反面、読み応えありすぎて読むのがつらいのです
ぼくはかなり読むのが早い方ですし、前提知識もあるのでつっかえることもあまりないのですが、それでも1冊あたり1時間以上読破までかかります。
読まなくて良いページが少なすぎるのと、1pあたりの文字数がかなり多いのもあるのだろうとは思いますが、純粋に内容が濃いですね。
持ち歩くサイズでもないので、時間をしっかり取らないと読めず、だらだらと今月号を読んでいたら、気が付くと次の号が来てたりするので、気が付くと追い込まれたりしています。
まあ、その辺は週刊の「日経ビジネス」なんかでも同じではあるが、内容の汎用性が高く情報の鮮度≠価値な内容なだけに気分が乗らないと溜まりがちではあるんですよねー。
③個人的には非常にオススメだが、当たる層は狭いかも…
個人的には、定期購読で幸福度が若干なりとも向上したと感じているので、定期購読がおすすめですが、負荷が大きいので、一度試し読みをしたほうが良いかと思います。
意外と大き目の図書館には置いてあったりするので、地元の図書館まで取り寄せできなないか確認して、試してみるのは手ですね。最新号以外は借りている人は稀なので、バックナンバーも簡単に読めます。
一応、HBRの公式サイトでは論文のサンプルも読めるので、そちらで確認しても良いかもしれません。20代なら、ある種仕事の目線が変わるので、カネをドブに捨てる気持ちで一回3年の定期購読をしてみるといいと思います。